2021年11月1日。横濱ワイナリーは醸造開始5年目に突入しました。
振り返れば4年前の11月1日。前日受け取った果実酒製造免許を壁に貼り、巨峰のブドウが納品され、慌ただしくワインづくりがスタート。記念すべきワインは「夜明け前」というタイトルでわずか50本リリースの巨峰の赤ワイン。すでに予定されていた横浜のマルシェ販売にギリギリ間に合うというハラハラドキドキの日々でした。あれから1461回の朝が過ぎ、このハラハラドキドキは毎日恒例の日課になっています。そして、これからも続いていくことでしょう。
さて。醸造作業も5シーズン目になると、技も磨かれてきます。というよりは、安心してワインがつくれるようになりましたという方が正しいかもしれません。最初から一貫しているのは「ブドウの声を聞く」ことです。ワインは生物が醸す奇跡の液体。2つとして同じ香味を出すことは私にはできません。微妙な違いがお客様との会話を弾ませてくれる・・・、そう!魔法の液体なのかも。と最近強く思うようになりました。
毎日恒例のハラハラドキドキには、なぜかいつも、新しい出会いによって、何か良いことが起こります。ワインづくりとは無縁の世界から今に至った経緯は、そうして重ねてきた日々の集合体。限られた文字数では語り尽くすことができないので、どうぞ私と出会った際にお尋ねください。その出会いもきっと何かの縁。奇跡の化学反応が起きるかもしれません。
さあ。2021シーズンのワインづくりもいよいよ後半戦。「天然についている酵母で醸して!」という多くのブドウたちの声に今シーズンはかなり従ってみました。酸化防止剤も最小限に抑えているので、よりやわらかい、やさしい香味に仕上がりつつあります。
この4年間、出会って勇気と励ましで支えてくれた全ての皆様への感謝を力に、これからもワインづくりに励んでいきます。5年目も、ハマワインをどうぞよろしくお願いいたします。
横濱ワイナリー 代表 町田佳子