酸化防止剤とは
酸化防止剤は、酸化による品質低下や変色、悪臭などを防ぐために使用されます。酸化防止剤を使わない場合、食品や化粧品、医薬品などの製品が酸化により劣化する可能性があります。ワインに含まれる亜硫酸塩は他の食品類と比較しても低濃度ですが、体質によっては喘息や頭痛を引き起こすことがわかっています。また、天然成分やオーガニック製品を選ぶ消費者も増えています。
ワインで使われる酸化防止剤は、「亜硫酸塩」で酸化した硫黄といえばイメージがわくでしょう。具体的には二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム及びピロ亜硫酸カリウムのことを指します。古代からワインづくりには使用されている技法で、劣化した香りを生成する悪玉酵母や雑菌を殺菌するために使用されてきました。また、酵母の活動を停止させる目的でも使用されます。
使用量の規定は
酸化防止剤は食品添加物で、使用量が厚生労働省により「一日摂取許容量*」としてきちんと法律で定められています。日本の果実酒に対する亜硫酸最大含有量規定は350mg/Lまでとなっています。海外では200mg/Lから400mg/Lの範囲で使用が認められている地域が多いです。(*生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量)
亜硫酸は添加しないでも、ワインの中に、酵母がアルコール発酵する過程の副産物として10mg / L位は生成されます。また、時間が経過するとともにワインの中で薄まっていきます。
酸化防止剤を使用しないワインづくりに気をつけなければならないことは
1. 素材の品質が大切。新鮮なものを使用する。
2. 高温や湿度、光などの酸化を促進する環境から保管する。
3. 空気に触れる面積を最小限に抑えるための容器を使用する。
ハマワインの酸化防止剤に対する方針
酸化防止剤を使用しないワインづくりは決して容易ではありません。ハマワインでは良好な状態のブドウを使用し、醸造工程での雑菌発生を抑えることで、酸化防止剤の使用をゼロまたは少量に抑えています。また、保管状態の向上を目指して、透明瓶から遮光色瓶使用に切り替えを行ったり、酸化防止剤使用・不使用の2種商品を揃える工夫をしています。ハマワインでは、長期保存に向く赤ワインには基本的に10-20mg/Lの酸化防止剤を添加しています。
最近は、酸化防止剤不使用のワインを求めるお客様が増えています。皆様にお願いしているのは、酸化防止剤不使用商品は①長期保存をせずにできるだけ早めに飲んでいただくこと②冷蔵庫でよいので、冷暗所に保管すること、をお願いしています。
皆様にできるだけ良い状態でハマワインをお楽しみいただけるよう様々な努力をしています。