横濱ワイナリーの醸すワインの特徴とおいしい飲み方について
横濱ワイナリーの醸すワインは、自然派ワインに属します。
=名称の理解=
自然派ワインとは?
可能な限り「自然」にこだわって造られるワインのことを指します。「自然派ワイン」という言葉は、フランス語の「Vin nature(ヴァンナチュール)」を日本語に訳したもの。英語では「ナチュラルワイン(Natural wine)」といいます。実は、自然派ワインには、明確な定義はありません。日本では一般的に、化学的な、人工的なものは使わずに、、有機栽培あるいは化学的肥料や農薬を使用せずに栽培したブドウを原料に、亜硫酸塩(酸化防止剤)の添加を控えめにして造られたワインのことを指すことが多いです。
オーガニックワインとは?
E U圏やアメリカなどでは、「オーガニック」名称を使用する場合は、専門機関の認証を受けなければなりません。日本でも制度変更により、2025年10月より酒類に「オーガニック」や「有機」と表示するには、有機JAS認証を取得して有機JASマークを貼付することが必須となります。
横濱ワイナリーが醸すワインの中でも、横浜産ブドウ100%の<横浜ワイン>はこの仕組みをいち早く取り入れ、有機JASマークを付しています。
=自然派ワインの原料ぶどうの栽培について=
自然派ワイン<横浜ワイン>はオーガニック農法で栽培されています。別名有機農法と呼ばれています。化学的な農薬や肥料、除草剤、殺虫剤などを一切使用せず認められた有機肥料のみを使います。病害虫予防に石灰と銅を混ぜた「ボルドー液」や、石灰と硫黄を混ぜた合剤の使用は認められています。ブドウ収穫は手摘みで行われます。
=自然派ワイン製造の特徴について=
自然派ワインの製造について
自然派ワインは、人工の培養酵母ではなく天然酵母の使用、亜硫酸塩の添加はごく微量か無添加、ろ過や加熱殺菌はしない、香料や化学的な薬剤は使用しないなど、人工的・化学的なものをできるだけ排除して醸造するのが特徴です。
自然派ワインの特徴について
人工的・化学的なものを排除し、製造方法でも濾過や殺菌を行はないため、ワインの澱(おり)が沈殿しやすくなります。
*横浜産ブドウ100%の<横浜ワイン>を含め、横濱ワイナリーが醸すワインは、上記の製法でワインをつくています。*
◇ワインの澱の正体は?
ワインボトルの底に結晶のようなものが沈殿しているのを見かけることがあります。これは、熟成の過程でワインの成分が結晶化したもので、おいしいワインの証明ともいわれる存在が澱(おり)です。
自然派ワイン以外では、瓶詰め前に「澱引き」と呼ばれる作業で澱が完全に取り除かれます。 横濱ワイナリーのような自然派ワインでは、 澱が完全に取り除かれないため、時が経ち瓶内でゆっくりと熟成が進むうちに、ワインの旨味成分などが変化し、澱となってボトルの底に沈むことがあります。
澱の成分は?
タンニン:ポリフェノールの一種でワインの渋味成分、
アントシアニン:ポリフェノールの一種でワインの色素成分、
タンパク質、酒石(しゅせき):ブドウの酸味成分である酒石酸とカルシウムなどのミネラル成分が結合して結晶化したもの
があります。
できたてのフレッシュなワインには、こうした成分が別々に溶け込んでいるため、沈殿が起きにくく、時間が経過するとこれらの成分が結合して結晶化が進み、瓶底に沈んでいきます。
=澱が発生しやすいワインの特徴=
◇赤ワインは、ぶどうの皮や種を含めて発酵させるため。タンニンやアントシアニンを多く含んでいます。そのため熟成期間が長ければ長いほど、澱が発生しやすくなります。また、これらの成分を多く含むフルボディのワインには沈澱しやすいです。
◇白ワインは、長期熟成させるとボトルの底の方に、キラキラした結晶が現れます。「ワインのダイヤモンド」とも言われる酒石です。赤ワインにも含まれますが、色が赤い澱と溶け込んでいるためわかりづらいかもしれません。
横濱ワイナリーのワインの特徴
◇酸化防止剤である亜硫酸塩の添加はごく微量か無添加なため、フルーティーさが広がります。やさしくやわらかい香味が特徴です。人工物が無添加なため、身体への負担が軽く、翌日に不快感を残さないようで、「平和なワイン:と皆様によく言われます。
◇横濱ワイナリーのような自然派ワインは、機械的な処理(清澄・ろ過作業)をせずに、あえて澱を残してワイン本来の風味を楽しめるように瓶詰しているので、若いワインでも澱が発生しやすいです。
横濱ワイナリーのおいしい飲み方
=ワインの澱引きを楽しもう=
澱はワインに含まれる成分なので、飲んでも問題はありません。ただざらつき感や苦味・えぐみなどがあり、不快感を感じる場合もあるため、取り除いて飲むこともオススメします。
=ボトルを立てて澱を瓶底に沈澱させる方法=
⚪︎飲む1週間ほど前から瓶を立てて保存します。わずかな振動で澱は舞ってしまいますので注意が必要です。
⚪︎ラベルを上にして横に寝かせる方法もあります。その場合は、静かに横に寝かせ、立てる際も沈めた澱がまわないようにゆっくりと立ててください。
いずれも場合も、グラスに注ぐ場合は、澱がまわないように静かにグラスに注いでください。
最後の一滴まで飲みたい気持ちはありますが、取り除いた澱が混ざらないところで飲む量を留めるのがおすすめです。